◆ 早坂家・リビング 女組のバラエティ放送後

「え〜〜〜!! ママ、めっちゃテレビ慣れしてたじゃん!」

綾人が録画を見ながら驚いた顔をする。怜と朱莉が並んで映るシーンはまるで姉妹のようだ。

「俺、普通にファンになりかけたんだけど」

理人が無表情でそう言うと、柚が吹き出す。

「何その“感情なさそうなのにめっちゃ褒めてる”言い方!」

「詩のナレーションも上手だったよね!」と結斗が笑顔で続ける。

郁斗は、ソファでぴょんぴょん跳ねながら「いっちゃん、うたたん、かわいい〜〜っ!!」とテンションMAX。

「……もう、落ち着いて」と怜が言いながらも、頬がほんのり赤い。



◆ 翌日:収録スタジオ・男子組+一(朱莉)

今回のバラエティ番組は、女組と対になる企画。「芸能人男子ファミリーでドッキリ&心理戦!」という、企画性の強い回だ。

番組スタッフが企んだのは──

「絆チェック!ガチでドッキリ仕掛けたら、家族はどう反応する!?」

しかも、仕掛け人は 朱莉。ママが男子組に「ある演技」を仕掛ける。



◆ ドッキリ開始!

控え室で待つ男子たち。

そこへ、スタッフが慌てた様子で入ってくる。

「すみません、朱莉さんが急にスタッフと揉めてまして……かなりピリピリしてて……」

一同:「……え?」

理人がゆっくりと眉をひそめた。

「揉める……って、母さんが?」

綾人も一瞬目を見開いたが、「いやいや、あのママがそんなこと……」と笑い飛ばす。

だが、実際にスタジオの外から聞こえてくる朱莉の怒声(演技)。

朱莉:「だから、脚本の意図を無視してカメラ回すなんて、ありえません!!」

その迫力に、スタッフも本気でビビっているように見える。

結斗:「えっ、ママ……?こわっ……」

郁斗は驚いて結斗の背中にしがみつく。

「うーって……やだ……こわいこわい……」



◆ 理人、動く

理人が立ち上がった。無言でスタジオの扉に向かう。

「おい、理人……行くなよ。俺ら、指示ないと勝手に動けな──」

綾人の言葉も振り払って、理人はスタジオ外へ。

──そこには、睨みつけるような目をした朱莉(演技中)と、平謝りのスタッフ。

理人:「……母さん、やめろ」

朱莉:「これはね、“仕事”の問題なの。あんたには──」

理人:「いや、違う。俺らは“家族”で、“チーム”だろ。家族にこんな姿、見せたくないなら、俺たちに見せるな」

その瞬間──

「カーーーーーーーーーーット!!!」

スタジオ内に響く大きな声とともに、ライトが切り替わる。

MC:「はいっ!理人くん、男前反応入りました〜〜〜!!」

(観客席:大拍手)

朱莉がぱっと表情を崩し、理人に笑いかけた。

「……ありがと。ドッキリ、大成功」

理人:「……は?」



◆ ネタバラシとリアクション

理人が硬直している中、後ろから綾人が肩を叩く。

「理人……お前、ガチでカッコよかった。なんか……泣きそうになった」

結斗:「うわ〜〜〜騙された!!もう〜〜!!」

郁斗:「ママ、こわいこわいこわいー!……でも、だいすき!」

スタッフ:「では皆さん、ドッキリの感想をお願いします!」

理人:「……これ、毎週やってるんですか?」

MC:「やってません!(笑)」



◆ 放送後の早坂家

リビングで放送を見終えた女子組。

柚:「理人、めっちゃイケメンだったんだけど!!」

怜:「……本気で止めに行くとは」

詩:「やっぱり家族、ってちゃんと思ってるんだね」

依:「ママの演技、上手すぎてこわかったぁ〜!」

朱莉:「ふふ。現役時代に戻ったみたいだったわ」

そのとき、理人がぼそっと言う。

「……今度、女組にも仕掛ける番だな」

柚:「え、やめて!? わたし、ドッキリとか絶対泣くタイプだから!!」


◆ 男子組ドッキリ企画

🎬【ドッキリSP】朱莉ママが男組をガチで試す!?家族の絆チェック

🗨️ ファンの反応:
「理人くん……あれは惚れるしかない。あんなに真剣に止めに行く?」
「郁斗の“こわい〜〜でもだいすき〜〜”で爆笑した(笑)」
「結斗くん、反応がガチで8歳男子って感じで可愛すぎた」
「綾人が本気で焦ってるの、リアルで良かった。お兄ちゃんって感じ!」

番組放送後、理人のSNSフォロワーが激増。「#ガチで理人推せる」が流行語入り。