◆ 収録前日、早坂家リビング

「ねぇ聞いた? 明日のバラエティ、ママも出るんだって!」

柚が弾んだ声で、詩と依に伝える。ソファには、朱莉が穏やかな笑みを浮かべていた。

「……なんで私まで呼ばれたのかしらね。現役時代ぶりかも。バラエティって」

朱莉はかつてドラマ界で一世を風靡した女優。今はプロデューサー業に回っているが、今回の出演は“10人芸能人家族”の特集で「母としての姿」も見せてほしいとオファーがあった。

「ママが一緒だと、心強いよ!」と詩。

「ママ、可愛いからテレビ映えすると思う!」と依が両手を広げて抱きつく。

柚は、怜の肩をぽんぽんと叩いて冗談っぽく言った。

「ていうか、怜とママが並ぶと美人すぎて、私たちちょっと霞むんだけど〜?」

「……それは、柚のトーク力でなんとかして」

怜がサラッと返すと、一同笑いに包まれた。



◆ 番組タイトル:

「家族って、最強! 芸能人ファミリー女子会SP」

司会はベテランお笑い芸人と、現役アナウンサー。スタジオの雰囲気は明るく、家のリビングを模したセットが組まれていた。

MC:「本日は、今話題沸騰中の“芸能人だらけの10人家族”から、女性陣が大集合!なんとお母様まで出演です!」

(拍手)

MC:「まずは、元女優で今は家族の柱!プロデューサーとしても大活躍の朱莉さん!」

朱莉:「本日はよろしくお願いします。娘たちのほうがテレビ慣れしてるかも…」

MC:「そして、国際コンクール入賞歴もあるクラシック界の貴公子……じゃなくて美女!長女・怜さん!」

怜:「……よろしくお願いします(緊張気味)」

MC:「続いて、アイドルとして歌にダンスに大活躍!元気印の柚さん!」

柚:「はいっ!今日は女子だけなので、はっちゃけますっ!」

MC:「子役としてもナレーションとしても大注目!透明感のある詩ちゃん!」

詩:「よろしくお願いします……がんばります!」

MC:「最後はアニメ界の人気者!声優キッズの依ちゃん!」

依:「はいっ!今日もがんばるぞ~っ!」

(観客席:拍手と笑い)



◆ トークコーナー「うちの家族、ぶっちゃけどうです?」

MC:「10人家族で、ケンカとかないんですか?」

朱莉:「ありますよ、普通に(笑)洗濯物の取り違えとか、誰がゴミ出すかとか、芸能人でも中身は生活人間です」

怜:「あと……食材がすぐなくなります」

柚:「でも!私のプリンを食べた犯人、未だに名乗り出てません!」

詩:「それ、たぶん結斗くんじゃないかな……」

依:「郁斗くんが泣いてたとき、結斗くんが“おやつで釣る”って言ってたー!」

(爆笑)



◆ ゲームコーナー「家族でテレパシー!」

Q:今日の朝ごはん、依ちゃんが一番好きだったものは?

依:(フリップに“たまごやき”)

朱莉:(フリップに“たまごやき”)

MC:「おおっ!母娘、見事一致〜!!」

Q:柚が家族の中で“頼れる存在”と思っている人は?

柚:(フリップに“ママ”)

朱莉:(うるっとしながら)「……ありがとう」

怜:「うん……これは勝てない」

詩:「でも、わたしは柚お姉ちゃんも頼れるよ?」

柚:「泣かせにくるなぁ~~」



◆ 収録後、スタジオ裏の帰り道

控室で着替えながら、朱莉が娘たちに言う。

「……テレビって、どこかで“素を出しすぎないように”って構えるけど、今日は……本当に楽しかった。あなたたちが一緒だったから、かな」

怜:「私も……不思議と、緊張ほぐれました。ママがいると落ち着くかも」

柚:「え、泣く流れ!?ちょっと、化粧落ちるんだけど!」

詩:「……でも、また5人で出たいね」

依:「うんっ!」



◆ スタジオを後にして…

帰り道、車の中で依がぽつり。

「家族って、テレビに出ても“家族”なんだね」

朱莉はルームミラー越しに、4人の娘たちを見つめ、優しく微笑んだ。

「うん。出会った順番も、血の繋がりも関係ない。私たちは、“家族”ってことで、ちゃんとひとつになれてる」

車はゆっくりと、次の仕事へと向かっていった。



◆ 女子組バラエティ出演時

🎤【バラエティ出演】怜・柚・詩・依+朱莉ママが登場!

🗨️ ファンの反応:
「ママ込みで“推せる”…こんな番組見たことない」
「柚の瞬発力すごすぎ、綾人とのトークが見たい!」
「依ちゃんのコメント力、8歳とは思えない(笑)」
「詩ちゃん、やっぱりナレーションの才能すごい。子どもなのに語り口が俳優レベル」

バラエティ初出演の怜も話題に。「喋らなくても存在感がある」「静かな姉の微笑みに癒される」と好意的な声が多かった。