朝の光が、カーテンのすき間から差し込んでいた。
ふとんの中で、私は目を開ける。目覚まし時計の針は、まだ6時前。なのに、心臓だけが先に起きてるみたいに、ドキドキしていた。
「……はじまるんだ。今日から」
私は、早坂 詩(はやさか うた)、11歳。
小学生で子役。ドラマやCMの仕事をしながら、学校にも行ってる。
そして、今日——私は“芸能一家の一員”になる。
そう、今日から新しい家族と一緒に暮らすのだ。
私の家族と、相手の家族。どちらも芸能の世界で生きてきた人たち。
お父さんが再婚するって決まったときは、正直「えっ?」ってなったけど——
「10人家族!? 冗談じゃないよ!」
って、あの日は叫んでた私も、今はちょっとだけ、ワクワクしている。
新しいお母さん。
新しいお兄ちゃんたち。
新しい弟たち。
そして——
新しい“家族”って、どんな顔してるんだろう。
部屋の外から、かすかにお父さんの声が聞こえる。
「詩ー、起きてるかー?そろそろ準備しろよー!」
「うん、今行くー!」
パジャマのまま、鏡の前に立つ。
映った自分に、小さく笑いかけてみた。
「大丈夫、私ならやれる。ナレーションの仕事より緊張するけど、家族だもん」
私は階段を下りる。
リビングには、もうお父さんと、私の姉たち——**怜(れい)と柚(ゆず)**がいた。
怜はクラシックピアニストで、すごくクールで、ちょっと怖い。
柚はアイドルで、バラエティにもよく出てて、明るくてにぎやか。
そして——
玄関のチャイムが鳴った。
「来たわよ」
怜がポツリと言った。
「ほんとに、来ちゃったかぁ……」
柚がおどけて笑った。
扉がゆっくり開く。
向こう側に立っていたのは、これから一緒に暮らす人たち——
無口そうな17歳の男の子。スマホをいじってる、ちょっと近寄りがたい雰囲気。
同じく17歳だけど、笑顔がまぶしい男の子。多分、人気俳優とかモデルとかやってる。
8歳くらいの男の子が、無邪気に「おはよー!」と手を振る。
その隣には、2歳くらいの赤ちゃんが、抱っこされて眠ってた。
そして——そのみんなを連れてきた女性。
元女優で、今はプロデューサーとして活躍しているという、新しいお母さん。
「……はじめまして。今日から、よろしくね」
お互い、ぎこちない笑顔だった。
でも、なんだろう。胸の奥が少しだけ、あたたかくなった。
——こうして、芸能人10人の大所帯が誕生した。
名前も、年齢も、性格も、仕事もバラバラな私たち。
けれど、これから一緒に暮らしていく。
泣いたり、笑ったり、テレビに出たり——
その全部を、私はこの目で見て、この声で語っていく。
これは、11歳の私・詩が体験する、新しい家族との365日の物語。
ふとんの中で、私は目を開ける。目覚まし時計の針は、まだ6時前。なのに、心臓だけが先に起きてるみたいに、ドキドキしていた。
「……はじまるんだ。今日から」
私は、早坂 詩(はやさか うた)、11歳。
小学生で子役。ドラマやCMの仕事をしながら、学校にも行ってる。
そして、今日——私は“芸能一家の一員”になる。
そう、今日から新しい家族と一緒に暮らすのだ。
私の家族と、相手の家族。どちらも芸能の世界で生きてきた人たち。
お父さんが再婚するって決まったときは、正直「えっ?」ってなったけど——
「10人家族!? 冗談じゃないよ!」
って、あの日は叫んでた私も、今はちょっとだけ、ワクワクしている。
新しいお母さん。
新しいお兄ちゃんたち。
新しい弟たち。
そして——
新しい“家族”って、どんな顔してるんだろう。
部屋の外から、かすかにお父さんの声が聞こえる。
「詩ー、起きてるかー?そろそろ準備しろよー!」
「うん、今行くー!」
パジャマのまま、鏡の前に立つ。
映った自分に、小さく笑いかけてみた。
「大丈夫、私ならやれる。ナレーションの仕事より緊張するけど、家族だもん」
私は階段を下りる。
リビングには、もうお父さんと、私の姉たち——**怜(れい)と柚(ゆず)**がいた。
怜はクラシックピアニストで、すごくクールで、ちょっと怖い。
柚はアイドルで、バラエティにもよく出てて、明るくてにぎやか。
そして——
玄関のチャイムが鳴った。
「来たわよ」
怜がポツリと言った。
「ほんとに、来ちゃったかぁ……」
柚がおどけて笑った。
扉がゆっくり開く。
向こう側に立っていたのは、これから一緒に暮らす人たち——
無口そうな17歳の男の子。スマホをいじってる、ちょっと近寄りがたい雰囲気。
同じく17歳だけど、笑顔がまぶしい男の子。多分、人気俳優とかモデルとかやってる。
8歳くらいの男の子が、無邪気に「おはよー!」と手を振る。
その隣には、2歳くらいの赤ちゃんが、抱っこされて眠ってた。
そして——そのみんなを連れてきた女性。
元女優で、今はプロデューサーとして活躍しているという、新しいお母さん。
「……はじめまして。今日から、よろしくね」
お互い、ぎこちない笑顔だった。
でも、なんだろう。胸の奥が少しだけ、あたたかくなった。
——こうして、芸能人10人の大所帯が誕生した。
名前も、年齢も、性格も、仕事もバラバラな私たち。
けれど、これから一緒に暮らしていく。
泣いたり、笑ったり、テレビに出たり——
その全部を、私はこの目で見て、この声で語っていく。
これは、11歳の私・詩が体験する、新しい家族との365日の物語。



