愛を知った日

「別に奏が泣くことじゃないのに」
「いやごめん…」
鳳蝶くんがおいでと言うように腕を広げてくるのでその胸に頭を預けた。
「鳳蝶くんよく頑張ったんだね。すごいね。ごめん。私が泣くことじゃないし偉そうで」
私は鳳蝶くんをぎゅーっと強く抱きしめた。
「うおっ…ははっ」
「私は鳳蝶くんがそばに居てくれる限り生きる事を諦めないから。好き。大好き」
「そんなに奏から言ってくれるの初めてだな」
「何回でも言うから」
「正直決心するまで時間必要だったけど奏には言いたかった。本当の俺を。俺は奏のこと知ってるのに自分の事隠すなんて不公平だろ?」
「不公平ではないよ。誰にでも言いたくないことはあるしそれなら言わなくてもいい」
「ありがとう。優しいな。でも今回は話しておきたかったんだよ」
「優しくなんてないよ。鳳蝶くんの方が優しい」
「奏は優しいよ」
「話してくれて本当にありがとう。これからもよろしくね」
「こちらこそ」
そんな話をして鳳蝶くんに包まれながらその日は眠りについた。