愛を知った日

私達は思う存分甘い時間を楽しんだ後、2人で寝るには狭いシングルベッドにくっついて寝転んでいた。
そんな中、鳳蝶くんが一瞬神妙になり話し始める。
「俺は本当に奏が元気になって良かったと思ってるんだ。あの時は本当につらかった。あんな思いはもうしたくないくらいにな」
「ごめんね…」
鳳蝶くんは私の頭にキスをする。
「謝らないでいい。俺な…親が目の前で事故って死んだんだ。だからその時のこと思い出してすごく怖かった」
そう言いながら私を強く抱きしめた。
「えっ?」
私はその言葉に驚いて鳳蝶くんの顔を見る。
「今までちゃんと言えなくてごめん。だけど奏とはこれからもずっと一緒にいたいから」
「謝ることじゃない。むしろ私が聞いてもいいの?」
「奏に聞いて欲しいんだ」
「分かった。ちゃんと聞く」
「あの日家の近くの交差点で猛スピードの車に轢かれたんだ。その場面を俺も見てる。その時の自分は無力でただ泣き叫ぶことしかできなかった」
「それから俺は施設に預けられたけど合わなくて1人暮らしを始めた。それからかな。看護師になりたいって考え始めたの」
その話を聞いて一筋の涙が流れた。