愛を知った日

数年後。
「鳳蝶くん、お待たせ!」
「全然待ってねぇからそんなに走るな」
「もう!心配症だなぁ。大丈夫だって」
「そんなの分からないだろ」
あの時、私は鳳蝶くんの優しいキスを最後に意識を失い心肺停止になった。
不思議な夢を見た。私はいつの間にか花畑にいてそこで泣いている小さな女の子がいた。見たところ出れそうな感じはしない。とりあえず女の子に近づいて優しく声をかけた。
「こんにちは。なんで泣いてるの?」
するとその少女は顔を上げる。その顔を見た瞬間思った。 
(これは幼い頃の私だ)
「私はひとりぼっちだから。みんなは普通に学校行ったり遊んだりしてるのに私はできないから。私だってやりたいのに…」
確かに幼い頃はそう思っていた。
「1人ぼっちじゃないよ」
だから慰めるように本音で語りかけた。
「こんな体で友達もいないのに?」
「大丈夫。今はいないかもしれないけどこれから大切な人がたくさんできるよ」
「でももうすぐ死ぬかもしれないの…」
そこまで聞いてハっとした。
(そうだ私…まだ死にたくない。鳳蝶くんと大切な人達とずっと一緒にいたい…神様お願いします…もうわがままは言わないから1度だけ聞いてください)
そう心の中で唱えながら切に願った。