愛を知った日

「さっきよりはマシになったね。どうせあんまり寝てないんでしょ?そんな調子じゃ奏も悲しむよ」
「明美ちゃん、ストレートだね。奏ちゃんが心配で寝れないんだよきっと。」
「そんなの私もよ!でもクヨクヨしてたって仕方ないでしょ。じゃあせめて私達は元気でいなきゃ」
「気づいたら涙が出てるんだ。なにをしてても」
俺は思わず泣いてしまった。
「えっ大丈夫?」
そう言う伊月の肩を借りて。
「泣いてるの?」
俺の姿を見た鳳蝶は気まずい顔をしていた。
「いい?正直私だって泣きたいけどこれだけは言うわ。奏は絶対に大丈夫だからあんたは自分がするべき事をしなさい」
「するべきこと?」
「絶対に自分の行きたい場所に行くの。そのために学校行って頑張るの。その方が奏も喜ぶ」
「本当に奏は大丈夫なのか?」
「奏はああ見えて強いから。私はそう信じてる」
「そうか…」
なぜかその言葉に強く勇気づけられた。いつまでも殻に篭っていないで自分の道を進むべきだ。そして奏との時間を大切にするべきだ。そう思うと目の前が明るくなったような気がした。