愛を知った日

それから奏の両親が気を遣って2人っきりにしてくれた。
「手術成功したみたいで本当に良かった。心配してたから明美達にも伝えておくな」
奏が倒れてから俺達3人はよく連絡を取るようになった。会いに行けなくとも奏の様子を気にしている。奏は麻酔から目覚めたばかりであまり話せないようだったが俺が喋る事に小さく反応してくれた。
途中、奏が気持ち悪そうにしていたため背中をさすって近くにあった袋を渡すとすぐに嘔吐した。
「大丈夫か?ここに吐いて」
「気持ち悪いな。全部吐いて」
奏は申し訳なさそうに気まずそうな顔をする。
「全然大丈夫だから。気にしないで」
気持ち悪いのが落ち着いたところで水を渡す。
「口ん中気持ち悪いだろ」
奏はそれを1口飲んで再びベッドに倒れ込んだ。
その日の奏はあまり元気がなく俺も早めに帰った。
それから数日。その日、伊月と朝一緒に登校したはずなのにいつの間にか姿が見えなくなっていた。不思議に思いつつ学校が終わり奏の病院に向かうとそこには伊月と明美がいる。
(サボってこんなところにいたのかよ)
と思いながら
「お前らなにしてる?」
と声をかける。
「何ってお見舞いだけど?」
「そうだよ」
当然のように返ってくる言葉に思わず笑ってしまう。