愛を知った日

「ねぇね!」
駆け寄ってくる碧を優しく撫でる。
「大丈夫?」
私が微笑みながら小さく頷くと安心したように笑って今日の出来事をママに止められるまで楽しそうに話してくれた。  
「それでね…」
「碧、そろそろ面会時間終わるから行くわよ。奏おおよそのことはやったけど他に困ってることや持ってきて欲しいものはない?」
私は首を横に振る。
「そう」
ママと話していると碧が聞いてきた。
「ねぇね、これなに?」
碧の指差す先には鳳蝶くんからもらったハーバリウムがあった。まだあまり話せない私に代わってママが言う。
「鳳蝶くんからのプレゼントよ」
「お兄ちゃんからの?」
私は頷く。すると
「愛よね〜忙しいはずなのにほとんど毎日来てくれてプレゼントまでくれるなんて」
ママの言葉に私は頬に熱が集まるのを感じた。
「えへへ。ピンクで可愛いね!ねぇねに似合ってる」
碧が手に取りながら言う。
「さぁもうそろそろ行こう。また明日も来るからね。おやすみ」
「ねぇね、バイバイ…」
パパにそう言われた途端に寂しそうに手を振るので私は明るく笑って見送る。
「おやすみなさい」
ママも私の手を握ってから病室を出て行く。
私はそれからすぐに眠りに落ちた。