愛を知った日

そんなことを思いながらなんとか家の近くまで来ると見覚えのある人が家の前に立っていた。
「楽くん?」
正直今は声をかけたくなかったが無視をするわけにもいかなず、小さな声で呼びかけると気づいたようで振り向いた。
「あっ奏。これうちの親が奏のところに持ってけってうるさくて…って奏、泣いてる?」
私はその言葉を無視するように話を逸らした。
「あっそうなんだ。ごめん。今親いなくて…ごめん…ありがとう!」
そう言って楽くんの手に持っているものを受け取り家に入ろうとした時、腕を掴まれた。
「なぁ。俺の言ってること聞こえた?何があったんだ?」
「なにもないよ」
「嘘だ。泣いてるだろ?」
図星をつかれて気まずくなった私は
「とりあえず入って」
それしか言えなかった。