愛を知った日

「分かってたのか?ついナレーションの人の声が心地よくて…」
「分かる!めっちゃいい声だよね。憧れるよ。」
「奏もいい声だよ。」
「お世辞はいいよ。」
「お世辞じゃない。俺は好きだ。」
その声に何人かが振り向いた。
「ここ外だから!」
「ごめん…」
「行こう。」
そう言って外に出た瞬間、ふらっとふらついてしまった。
「大丈夫か?調子悪いか?」
「ごめん。ちょっとふらついただけ。」
「親、呼ぶか?」
「大丈夫…」
「でも顔色も悪いしどっか休める所があればいいけどここら辺ないしな。親、呼びたくないならタクシーで帰るか?」
「やだ…まだ一緒に居たい…少しじっとしてたら大丈夫だから…」
「でも…じゃあここからなら俺の家の方が近い。タクシーで俺の家まで行くか?」
「うん。」
「でもちゃんと親御さんには説明するからな。心配するだろ。」
「うん。」
タクシーを呼んでくれて鳳蝶くんの家まで行った。その間も鳳蝶くんの肩に頭を乗せさせてくれる。タクシー代は鳳蝶くんが代わりに払ってくれた。正直恥ずかしかったが車からお姫様抱っこでベッドまで運んでくれてそのまま私のスマホを借りていいかと聞かれ家族に電話して事情も説明してくれた。
私はさっき払えなかったタクシー代を鳳蝶くんに渡した。