愛を知った日

そうして電車に乗っている間も鳳蝶くんは私を人が来ないように囲って守ってくれた。おかげでそれなりに混んでいた電車内でも快適だった。最寄り駅に到着してプラネタリウムまで手を繋いで少し歩く。鳳蝶くんは私のスピードに合わせてゆっくり歩いてくれた。夏休みという事で家族連れが多く、席を取れるかヒヤヒヤしていたがなんとか2人で座れる広いシートを取れた。このプラネタリウムには通常の1人席の他に家族連れや数人で座れる席が用意されているが人気が高い。さらに大人用のプログラムと子ども用のプログラムが用意されていて内容が違う。今回は大人用のプログラムを観ることにした。
私達は隣同士に座り、席を倒してほぼ寝た状態になる。広いシートと1人席には充分な間が空いており、倒せるようになっていた。
そうすると同時に上映が始まった。2人手を繋いで観る。スクリーンには満天の星と心地よいナレーション。2つが合わさって幻想的な雰囲気だ。
「綺麗だね。」
「ああ。今度、本物見に行こっか?」
「いいね。」
私達は小声で話す。時間を忘れて観ているとあっという間に上映が終わった。
「あっという間だったね。」
「また観に来よう。」
「うん。でも鳳蝶くん、途中で寝そうになってたでしょ?」