愛を知った日

「行こっか」
鳳蝶くんは昨日と同じようにバイクで来ていた。
ヘルメットをかぶって鳳蝶くんに掴まる。そしてしばらく乗っていると
「着いたぞ」
と言われて降りる。そこは2階建てのアパートだった。
「ここが俺の家。驚いただろ」
「うん。少しだけ」
「今のところ奏しか知らない」
「それなのにいいの?お邪魔して」
「いいんだよ」
どうやら鳳蝶くんはアパートの2階に住んでいるようだ。先に私を招き入れてくれた。
「お邪魔します」
「簡単なものしか作れないけど昼だからなんか作ろっか?」
「じゃあ私も手伝うよ」
「ささっと作っちゃうから奏はゆっくりしてて」
「ありがとう」
「なんか飲む?って言っても麦茶くらいしかないけどごめんな」
「ううん。私こそお邪魔するのに何も持って来てなくてごめんなさい」
「そんなの気にしないで」
そう言って鳳蝶くんはコップに麦茶を注いでくれた後、キッチンに向かって料理を始めた。
1人になった私は鳳蝶くんの部屋を緊張しながらキョロキョロと見渡す。鳳蝶くんの部屋は必要最低限の質素な部屋で所々ゲームセンターで取ったのだろう景品や趣味のものがあった。初めてなので分からないが男の子の部屋という感じがする。