愛を知った日

私はいきなりのスピードにびっくりして振り落とされないよう鳳蝶くんにしっかり掴まる。
徐々にスピードに慣れてうっすら目を開けると鳳蝶くんの耳が赤くなっているように思えたが気のせいかもしれない。とにかく乗ってる間は話す余裕もなくひたすらにしがみついた。
しばらくしてバイクが止まった。見るとそこは海だった。
「わぁ〜すごい!」
「行こう。」
「うん」
手を繋いでもう少し近くまで降りて行く。
「きれいだね。」
「うん。」
「でもなんで?」
「いや、なんか行きたくなって…そしたら奏の顔思い浮かんで一緒に行きたくなった。」
「うふふ。そっか。私も海久しぶりに来たなぁ。」
「俺、ここから見える夕日が好きなんだ。」
「でも今夏なのにあんまり人いないね。」
浜辺を散歩する人はちらほらいるがまばらだ。今は絶好の海シーズンなのでどこも混んでいるニュースでも言っていたのにここは少ない。
「ここ遊泳禁止なんだ。だから穴場で俺の秘密の場所。よくストレス発散にくる。」
「そんな場所、私に教えて良かったの?」
「奏はいいんだ。」
「ありがとう。鳳蝶くん、なんかあった?」
「なんで?」
「来た時も元気なさそうだったし今も…」
「奏はめざといな。別に嫌なこととかじゃないんだ。ただちょっと疲れただけ。」