するとまた男の人に話しかけられた。
「君かわいいね。誰かと待ち合わせ?まだ来ないならお話ししようよ。」
「友達、待ってるんです。失礼します。」
なるべく笑顔を見せず、真顔で言ったがなかなか引き下がってくれず困っていると
「あれ?奏ちゃん?昨日ぶりだね。」
「伊月さん!」
「こんにちは。お友達?」
私が違うという顔をすると
「違うみたいだけど。何してるの?」
「いや、話しかけていただけで…」
「なんで?」
「すみませんでした!」
伊月さんの圧に負けたのか男性は去って行った。
「伊月さん、ありがとうございました。」
「さん付けはいいって昨日言ったのに。」
「それに心配してそこに隠れてる人もいるしね。」
とわざとらしく言うとバツが悪そうな顔をして出てきた。
「鳳蝶さん!」
「いや、なんて言うか…お前またナンパされてんのな。」
「あはは。すみません…」
「本当、自分が可愛いの自覚した方がいいよ。」
「えっ。可愛いなんてそんな…」
「メガネとか掛けた方がいいよ。」
「そうですかね。」
「そうしろ。」
「分かりました。私も困ってるので掛けてみます。」
その時、大きな声が聞こえてきた。