愛を知った日

もうすでに廊下を歩いている時点から黄色い声が聞こえるので気づいているとは思うが一応声をかける。
「獅子原〜今、いいか?」
その声を聞いた会長は驚いた顔でこっちを見て食べていたご飯をポトリと落とした。ファンクラブの子と一緒に食べていたようでその子もびっくりしていた。それはそうだろう。今までほとんどこちらから声をかけることはなかった。あっちから声をかけてくることが大半だ。それも必要最低限で。
その後、ハッとした会長は急いでこちらにやって来た。
「鳳蝶様、何かご用でしょうか。」
「だから別に鳳蝶様って呼ばなくてもいいんだけど。」
「いいえ。そういうわけにはまいりません。私達の神聖なる推し鳳蝶様ですから。」
このなんだか自分の世界に入ってしまっているのがファンクラブ会長の獅子原琴莉(ししはら ことり)だ。
名字と名前が獅子と小鳥で正反対なのも面白いと思っている事は本人には内緒だ。
「失礼しました。それでなんでしょか。」
「今日、大事な話があるんだ。放課後みんな集めてくれるか?」
「承知しました。場所はどこがよろしいでしょうか?」
「今回はここで。伊月も来るから。」
「伊月様も?鳳蝶様と伊月様のカップリングにお目にかかれるなんて…尊い…」