占い師は、あの人の幸せを願う彼に、恋をした

「でも、今日こうして会えたのって、なんか……変な感じだけど、ちょっと嬉しいよ」

「……私も」

言葉を交わしたあとの沈黙が、心地よく染み込んでいく。
ほんの一瞬だけ、時間がゆっくりになったような気がした——

「一ノ瀬さん! ちょっとだけ、こっち来てもらえますか?」

依頼者の女性の声が遠くから飛んできて、現実に引き戻される。

「あ……ごめん、ちょっと」

「うん。……またあとで」

そう言い合って、私は軽く会釈をして、その場を離れた。
けれど心のどこかに、さっき交わした彼の視線だけが、ぽつりと取り残されていた。

——摘んだはずだった。

でも、咲いていた。
あの頃と変わらない、鮮やかな黄色いひまわりが。