占い師は、あの人の幸せを願う彼に、恋をした

バスの中、彼女はすぐに周囲と打ち解けていた。
明るくて、話しやすいタイプ。
けれどふと沈黙が訪れると、指先がほんの少し震えていた。

——過去に、誰かに裏切られたことがあるんだろうな。

そんな感覚が、不意に胸の奥に落ちてきた。
私はそれをカードに問いかけ、一枚をめくる。

『月・逆位置』

——迷いと不安の中にありながら、そこから抜け出そうとしている。
カードは、そんな彼女の“いま”を映し出していた。