転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「最後は展望ね。ワンドの十かぁ」
「どうしたのですか?」
「うーん。このカードは重圧を意味するの。見て、十本の棒を重そうに持っているでしょう? だからたとえ恋が成就しても、その先に色々な責任や期待がついてくると思うの。真面目なミサのことだから、すべてを受け止めてしまうかもしれないけど、無理はしないようにね」
「……姫様付きの侍女ですから、お付き合いともなれば、やはりそう……なりますよね」

 確かに、ミサの立場を考えるとそうかもしれない。友達みたいに結婚して王宮を出る、なんてなったら、ミサはどうするのだろうか。
 このワンドの十のように、たくさんのものを抱え込みそうだわ。

「さぁ、気を取り直して、さっき後回しにしてしまった、お相手について聞いてみましょう。このペンタクルのナイトが、どのような方なのか、をね」

 私は再びカードに尋ねて、一枚のカードを引いた。すると……。

「えっ、キャッ! これは凄い!」
「姫様?」
「ごめんなさい、良いカードが出てきたものだから、思わずはしゃいでしまったの」
「そんなに、ですか?」

 ミサだけでなく、カイルも驚いた声を出した。それもそうだろう。騎士の誰かかも、と読んだのだから。それを踏まえた上で、このカードだ。