カイルに視線を送ると、「いいのではありませんか?」と温かい視線を、逆に向けられた。
「ミサ。先に言っておくけど、占いはあくまでも占い。さらにいうと、私は占い師ではないから、当たらなくても、文句は言わないでね」
「分かっています」
「あくまでも、参考にする程度よ。それでもいいの?」
「私は姫様を信じておりますから」
ダメだ。分かっていない。でもやるしかない、ことだけは私も分かる。
私は椅子から立ち上がり、ベッドサイドに置かれた、書き物机に近寄った。可愛らしい部屋に不釣り合いなこの机は、リュシアナの母の物だという。そのため古めかしいのだが、不思議と手に馴染むため、すぐに私のお気に入りになった。
一段しかない、書き物机の引き出しだが、真ん中、左右に一つずつあり、右にのみ鍵をかけることができるのだ。しかもその鍵、というのは私の右中指にはまっている。
そう、この書き物机は魔道具にもなっていて、誰にも触れたくない物を入れるのにはピッタリだった。私は右の引き出しに向かって、指輪をかざす。すると、カチッと開く音がした。
「さぁ、ミサ。そこに座ってちょうだい。占いを始めるわ」
私はテーブルの上にネイビーの布を広げる。中央にあるのは、七十八枚のタロットカード。その上に手を乗せて、静かに念じた。
私の大切なカードたち。今日も力を貸してください。ミサの歩む道を、そっと照らす光となって……。
「ミサ。先に言っておくけど、占いはあくまでも占い。さらにいうと、私は占い師ではないから、当たらなくても、文句は言わないでね」
「分かっています」
「あくまでも、参考にする程度よ。それでもいいの?」
「私は姫様を信じておりますから」
ダメだ。分かっていない。でもやるしかない、ことだけは私も分かる。
私は椅子から立ち上がり、ベッドサイドに置かれた、書き物机に近寄った。可愛らしい部屋に不釣り合いなこの机は、リュシアナの母の物だという。そのため古めかしいのだが、不思議と手に馴染むため、すぐに私のお気に入りになった。
一段しかない、書き物机の引き出しだが、真ん中、左右に一つずつあり、右にのみ鍵をかけることができるのだ。しかもその鍵、というのは私の右中指にはまっている。
そう、この書き物机は魔道具にもなっていて、誰にも触れたくない物を入れるのにはピッタリだった。私は右の引き出しに向かって、指輪をかざす。すると、カチッと開く音がした。
「さぁ、ミサ。そこに座ってちょうだい。占いを始めるわ」
私はテーブルの上にネイビーの布を広げる。中央にあるのは、七十八枚のタロットカード。その上に手を乗せて、静かに念じた。
私の大切なカードたち。今日も力を貸してください。ミサの歩む道を、そっと照らす光となって……。



