それに……今までは記憶喪失で、私も混乱していたから、二人の動きを不思議に思わなかったけれど……。
「ずっとこの部屋だけで完結していた生活は、確かに今の私にとっては安全で快適だった。実際、命を狙われていたみたいだから、余計にね。だからあなたたちが、このようにしてくれたことは、すべて私への配慮だと思って、何も言わなかったの。でも……」
今後も、その関係で居続けられる? 無理よ。今の私は、記憶喪失だった頃の私じゃないのだから。引きこもってもいられない。それを打破するためには……。
「言うしかない、と思ったのよ。私とあなたたちは別の生き物なのだから、以心伝心なんてできないの。そうでしょう? 私はミサの考えも、カイルの気持ちも分からないのだから。仮にあなたたちが、私の考えや気持ちが分かるというのなら、仕方がないけれど……」
「……申し訳ありません。そこまで不快に感じられていたとは知らず……けれど私はリュシアナ様を蔑ろにしていたわけでは――……」
「不快になんて思っていないわ。私の記憶がないから、不用意なお父様とお兄様の訪問を止めてくれたのでしょう?」
そうやってミサが、私の負担を軽減してくれていたのだ。
「ずっとこの部屋だけで完結していた生活は、確かに今の私にとっては安全で快適だった。実際、命を狙われていたみたいだから、余計にね。だからあなたたちが、このようにしてくれたことは、すべて私への配慮だと思って、何も言わなかったの。でも……」
今後も、その関係で居続けられる? 無理よ。今の私は、記憶喪失だった頃の私じゃないのだから。引きこもってもいられない。それを打破するためには……。
「言うしかない、と思ったのよ。私とあなたたちは別の生き物なのだから、以心伝心なんてできないの。そうでしょう? 私はミサの考えも、カイルの気持ちも分からないのだから。仮にあなたたちが、私の考えや気持ちが分かるというのなら、仕方がないけれど……」
「……申し訳ありません。そこまで不快に感じられていたとは知らず……けれど私はリュシアナ様を蔑ろにしていたわけでは――……」
「不快になんて思っていないわ。私の記憶がないから、不用意なお父様とお兄様の訪問を止めてくれたのでしょう?」
そうやってミサが、私の負担を軽減してくれていたのだ。



