「どうして……っ! もしかして、ヴァレンティア卿から?」
「いや、俺は……それに報告だけなら、今までもしていたではありませんか。俺を疑うのは筋違いかと」
「そうね。カイルの言う通り。今までも何かある度に、ミサはお父様とお兄様には報告をしていたし、その結果を私に伝えてくれていた。だけど今、私が言っているのは、それではないの。このくらい、分かるでしょう?」
「つまり、それも含めてご存知……なのですか?」
「さぁ、どうかしら。でも、ミサの反応にカイルの指摘。それだけで十分よ」
ニコリと笑ってみせると、ミサの顔がみるみる内に、青くなっていった。
「まさか、カマをかけたのですか?」
「仕方がないでしょう? 記憶のない私には、あなたたちしか頼れる相手がいないのだから、こうするしかないのよ」
それに、動くにしても情報を手に入れるにしても、二人の目を掻い潜ってできるほど、私はこの世界を理解していない。また、リュシアナの背景も知らないのだ。いくら記憶がない、と周りが分かっていても、それを知っているのは一部の人間のみ。
混乱を避けるために、王族と一部の貴族にしか教えていないのだ、とミサから聞いた。つまり、公にしてはマズイ、ということに等しい。それがどのような影響となって、私に返ってくるのかが分からない以上、下手に動くわけにはいかなかった。
「いや、俺は……それに報告だけなら、今までもしていたではありませんか。俺を疑うのは筋違いかと」
「そうね。カイルの言う通り。今までも何かある度に、ミサはお父様とお兄様には報告をしていたし、その結果を私に伝えてくれていた。だけど今、私が言っているのは、それではないの。このくらい、分かるでしょう?」
「つまり、それも含めてご存知……なのですか?」
「さぁ、どうかしら。でも、ミサの反応にカイルの指摘。それだけで十分よ」
ニコリと笑ってみせると、ミサの顔がみるみる内に、青くなっていった。
「まさか、カマをかけたのですか?」
「仕方がないでしょう? 記憶のない私には、あなたたちしか頼れる相手がいないのだから、こうするしかないのよ」
それに、動くにしても情報を手に入れるにしても、二人の目を掻い潜ってできるほど、私はこの世界を理解していない。また、リュシアナの背景も知らないのだ。いくら記憶がない、と周りが分かっていても、それを知っているのは一部の人間のみ。
混乱を避けるために、王族と一部の貴族にしか教えていないのだ、とミサから聞いた。つまり、公にしてはマズイ、ということに等しい。それがどのような影響となって、私に返ってくるのかが分からない以上、下手に動くわけにはいかなかった。



