転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「すぐに頼みごとを言えなかったのは、これを待っていたからなの」

 占いが終わり、椅子から立ち上がろうとするミサ。カイルもそうだが、それぞれ侍女として、護衛としてのルールがあり、プライドがある。だからもう、止める素振りはしなかった。

 けれど私が、すぐに話を切り出したからだろうか。もしくは仕舞おうとしたタロットカードの山を、ミサに差し出すように見せたからか。再び椅子に腰を下ろしてくれた。

「えっと、タロット、カード……でしたか。それと私への頼みごとが、どう繋がっているのでしょうか? 私はリュシアナ様のように占いなど、できませんよ」
「いくらなんでも、ミサに占いは頼まないわ。これは私の楽しみなのだから、逆に取らないでちょうだい。だから、ね。今後のためにも、間接的に協力してほしいの」
「……間接的、とはどういうことでしょうか?」
「お父様とお兄様への報告よ。これまで通り、定時報告をしても構わないけれど、占いのことだけは黙っていてほしいの」

 そう告げると、ミサは驚いた表情をした。

 あら、そんなに意外だったかしら。ミサが具体的に何をしているのか、までは分からないけれど、これくらいは容易に想像がつくものよ。