転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「では改めて、今、ミサに必要なものは何か、教えてください」

 カイルの時と同じように、読み易い大アルカナの山を選び、両手で包み込む。さらに、正位置のみを採用することも忘れずに伝えた。その証として、カードの裏面をノックする。
 そして納得がいくまでカードをカットしていると、一枚のカードが飛び出した。私はそれをテーブルの上に置き、カットを続ける。その後、上から七枚目を裏返しのまま置いた。

「まず、この飛び出してきたのは、カードからのメッセージ。それは……『WHEEL(ホイール) OF(オブ) FORTUNE(フォーチュン)』(運命の輪)ね。そして次は、ミサに今、必要なメッセージ。『THE() HERMIT(ハーミット)』(隠者)」

 まさか飛び出してくるとは思わず、私はカードを手に持った。運命の輪は、元々良いイメージのカードで、隠者も悪いわけではない。だけど、この二枚のカードが示す意味はなんだろう。

「運命の輪は、流れやチャンスを意味しているわ。逆に隠者は、探求と静かに心を落ち着かせることを告げている。つまり、チャンスを掴むためには、静かに自分と向き合いなさい、ということね」
「それは……私にも、彼氏ができるということでしょうか」
「うーん。チャンスと出ているから、そうかもしれないわね。ただ、今回はミサに必要なことを聞いただけで、恋愛を聞いたわけではないのよ。だから、正確なことは言えないわ」
「で、では、カードに再び聞いてもらえないでしょうか」

 前のめりでお願いをするミサ。けれど、占いにもルールというものがある。