転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

 どうやったら慰められるかしら。ずっと聞きたがっていた頼みごとを、今いうのは気が引けるし。そうだ!

「今、ミサに必要なものは何か、タロットカードに聞いてみない?」

 ちょうど、大アルカナと小アルカナに分けたままだし。アドバイスをもらうのなら、ワンオラクルが適していると思うから、初心者の私でも読み易い。

「タロット、カード……ですか?」
「あっ、そっか。さっきまで、このカードでカイルを占っていたのよ」

 私はタロットカードを目の前に置き、ミサに説明した。
 このカードが『忘れ路の小間物屋』の店主、グレティスから譲り受けたものであること。さらにミサが厨房へ行っている間に、騎士団長が届けに来てくれたことを話した。

「それで中身をチェックしている時に、本当にこれで占いができることをカイルに証明していたってわけ」

 トランプを入手するために取引をした、ということは、あえて省いた。またミサの怒りの矛先がカイルに向くとも限らないからだ。

「だから椅子に……」
「至近距離でもなんでもなかったでしょう?」

 まぁ、そんな場面も無き死にもあらずだったけど……。