「だけどもし、占い自体を嫌っているのなら、先に言って。催促はしないから」
「……嫌いではありません」
「本当! それなら是非、占わせて。といっても素人だから、当たらないと思うけど」
期待されているようには見えなかったが、念のためにそう伝える。カイルもどこか、分かっている、とでもいいたいのか、苦笑いをしてくれた。
だから、本当は乗り気ではないことが分かる。これが取引なのにもかかわらず、私につき合ってくれたり、妥協してくれたり……ミサとは違ったその優しさに、甘えたくなるから困ってしまう。
私はそれを誤魔化すように椅子から立ち上がり、カイルにも座るように促す。途端、肩にあった上着がずれて、椅子の上に落ちそうになった。
「っ!」
突然カイルの腕が前方から伸び、私の体の後ろにあった上着をキャッチ。椅子に落ちることはなかった。けれどカイルの体が、テーブル越しとはいえ、至近距離にあり……思わず目を瞑った。
すると、カイルの息を吐く息が、音と共に私の頬に当たる。ビックリして目を開けると……。
「あっ、すみません。俺……」
カイルは顔を真っ赤にして、私から離れていった。それも必死に顔を隠して。
おそらく私も同じように赤くなっていると思うのに、カイルほど恥ずかしさを感じなかった。
私の感情を代弁してくれているかのような仕草を、カイルがしたからだろう。胸の高鳴りと共に、奥がじんわりと温かくなった。
「……嫌いではありません」
「本当! それなら是非、占わせて。といっても素人だから、当たらないと思うけど」
期待されているようには見えなかったが、念のためにそう伝える。カイルもどこか、分かっている、とでもいいたいのか、苦笑いをしてくれた。
だから、本当は乗り気ではないことが分かる。これが取引なのにもかかわらず、私につき合ってくれたり、妥協してくれたり……ミサとは違ったその優しさに、甘えたくなるから困ってしまう。
私はそれを誤魔化すように椅子から立ち上がり、カイルにも座るように促す。途端、肩にあった上着がずれて、椅子の上に落ちそうになった。
「っ!」
突然カイルの腕が前方から伸び、私の体の後ろにあった上着をキャッチ。椅子に落ちることはなかった。けれどカイルの体が、テーブル越しとはいえ、至近距離にあり……思わず目を瞑った。
すると、カイルの息を吐く息が、音と共に私の頬に当たる。ビックリして目を開けると……。
「あっ、すみません。俺……」
カイルは顔を真っ赤にして、私から離れていった。それも必死に顔を隠して。
おそらく私も同じように赤くなっていると思うのに、カイルほど恥ずかしさを感じなかった。
私の感情を代弁してくれているかのような仕草を、カイルがしたからだろう。胸の高鳴りと共に、奥がじんわりと温かくなった。



