「タロットカードは、これだけで占うの。過去と現在、未来を、ね」
「これだけで……まったく想像できません。あっ、とんだ無礼を」
「ううん。いいのよ。多分、カイルの反応が普通だと思うから」
この世界にタロットカードの概念がない。それならば、当然の反応だ。
魔道具……は見たことがないけれど、それなりに立派なものなのだろう。水晶だって、テレビやネットでしか見たことはないけれど、いかにも! って感じだし。
けれど目の前あるのは、カード。それも紙のカードだ。種も仕掛けも無いようなものが? と思われても仕方がない。なら、どうしたら分かってもらえるか……。
絵柄を説明する? それとも、一枚一枚カードの意味を教える?
興味のないカイルからしたら、苦行もいいところである。
それならば、カイルの興味を引けばいい。占いは何も、女性だけが好きだとは限らないのだから。
「ねぇ、カイル。ものは試しに占わせてほしいのだけれど、ダメかしら」
「えっ、俺ですか?」
「私でもいいのだけれど、これで占いができることを信じてほしいから」
本音としては、占いをしている姿を訝しげに見られるのが嫌なのだ。常に護衛として傍にいてくれる存在に、そんな風に見られるのも、また。
「これだけで……まったく想像できません。あっ、とんだ無礼を」
「ううん。いいのよ。多分、カイルの反応が普通だと思うから」
この世界にタロットカードの概念がない。それならば、当然の反応だ。
魔道具……は見たことがないけれど、それなりに立派なものなのだろう。水晶だって、テレビやネットでしか見たことはないけれど、いかにも! って感じだし。
けれど目の前あるのは、カード。それも紙のカードだ。種も仕掛けも無いようなものが? と思われても仕方がない。なら、どうしたら分かってもらえるか……。
絵柄を説明する? それとも、一枚一枚カードの意味を教える?
興味のないカイルからしたら、苦行もいいところである。
それならば、カイルの興味を引けばいい。占いは何も、女性だけが好きだとは限らないのだから。
「ねぇ、カイル。ものは試しに占わせてほしいのだけれど、ダメかしら」
「えっ、俺ですか?」
「私でもいいのだけれど、これで占いができることを信じてほしいから」
本音としては、占いをしている姿を訝しげに見られるのが嫌なのだ。常に護衛として傍にいてくれる存在に、そんな風に見られるのも、また。



