「気になさる必要はありません」
「ううん。そういうところは、ちゃんとケジメをつけたいの。だからカイルの言う通り、取引をしましょう」
正直、それに味をしめて、あれもこれも、と強請る我が儘王女にはなりたくない。今だってリュシアナの記憶が戻らなくて迷惑をかけているというのに。
「それで、カイルの望みは何?」
「……えっと、そのタロット、カードとは、どういうもの、なのですか?」
カイルの問いに、一瞬固まってしまった。いや、目を瞬かせた、の間違えかもしれない。
取引というから、どんな大それたものが出てくるのか、と身構えていたから拍子抜けしてしまったのだ。
けれど、よくよく考えてみると、当然の疑問だと思えた。この世界に馴染みのないカードを、リュシアナが求めている。それはあり得ないことだからだ。
「一言でいうと、占いができるの」
「カード、でですか? 水晶や魔道具などを使用せず?」
魔道具……グレティスの肩書、王宮付き魔道具師というのは、それも兼ねているのかしら。水晶は前世でも占いに使われていた物だから、不思議ではないけれど。
「ううん。そういうところは、ちゃんとケジメをつけたいの。だからカイルの言う通り、取引をしましょう」
正直、それに味をしめて、あれもこれも、と強請る我が儘王女にはなりたくない。今だってリュシアナの記憶が戻らなくて迷惑をかけているというのに。
「それで、カイルの望みは何?」
「……えっと、そのタロット、カードとは、どういうもの、なのですか?」
カイルの問いに、一瞬固まってしまった。いや、目を瞬かせた、の間違えかもしれない。
取引というから、どんな大それたものが出てくるのか、と身構えていたから拍子抜けしてしまったのだ。
けれど、よくよく考えてみると、当然の疑問だと思えた。この世界に馴染みのないカードを、リュシアナが求めている。それはあり得ないことだからだ。
「一言でいうと、占いができるの」
「カード、でですか? 水晶や魔道具などを使用せず?」
魔道具……グレティスの肩書、王宮付き魔道具師というのは、それも兼ねているのかしら。水晶は前世でも占いに使われていた物だから、不思議ではないけれど。



