転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「どうかなさいましたか?」
「っ!」

 急に話しかけられて、横を振り向く。当然ながら、この部屋には今、私とカイルしかいない。

「カイル?」
「はい」
「……もしかして」
「何か問題でもありましたか?」
「ううん。違うの。そうじゃないから、気にしないで」

 私はニコリと笑い、再びテーブルにカードを並べていった。勿論、『THE WORLD』(世界)から。

 その間も、カイルの視線は私に向いているのだろう。まるでそれが、『THE WORLD』(世界)の答えのような気がした。

 カイルに出会わせるために、私を呼んだのだと、そう言わんばかりに。