転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「……それよりも、確認はよろしいのですか? もしも違っていたら、急ぎませんと」
「ご、ごめんなさい。うっかりしていたわ」

 どこで広げよう。これが私の想像通りの物なら、できるだけ広い場所で見たい。

 私の机は……狭くないけれど、日当たりが、ちょっとね。さっきまでいたテーブルはどうかしら。ちょうどいい広さだし、カップを退かせば大丈夫そうね。

 そうと決まったら、と体を反転させた途端、肩に温かいものを乗せられた。ちょっと重みを感じる、これは……。

「その……お召し物の場所が分からないので、ミサ殿が戻るまではこちらをお使いください。俺の物なので、申し訳ないのですが」

 照れたように言うカイル。私の護衛なのだから、この部屋の構造を知らない、というのはおかしい。けれどクローゼットの中へ入り、上着を取りに行くのは……さすがに、ね。

 それに、これはこれで嬉しい。カイルとの距離が縮まったように感じられたから。

 さらにカイルは私の意図を汲み、カップを回収してくれた。お陰で私は、心置きなく包みをテーブルの上に広げることができた。