しばらくすると、カイルのため息が聞こえてきた。いつになく重々しいため息に、私は居ても立ってもいられず、扉へと近づく。すると、扉の向こう側にいた男性は、私の顔を見た途端、気まずそうな顔でカイルに耳打ちをして去っていってしまった。
「あの方は?」
「俺が所属している近衛騎士団の団長です」
通りで、とカイルの言葉に納得した。短い黒髪に、切れ長の紫色の瞳。そしてガタイのいい男性。カイルとの距離感も相まって、同じ騎士だと容易に想像がついた。
でも、団長ということは……。
「カイルに用事があったのよね。それなのに、ここにいていいの? わざわざここまで来るのだから、余程のことだったのではなくて?」
「えっと、まぁそうなんですが……俺は俺で、持ち場を離れるわけにはいかないので」
「でも……カイルの手を借りたいから、来たのではないの?」
とはいえ、今いなくなられるのは困ってしまう。カードの回収もそうだけど、他にも情報を得るには、カイルの協力は不可欠なのだ。
ミサはリュシアナがこっそり抜け出していたことを知らないから、そういうことは頼めない。そもそもなんで内緒にしていたのか……はだいたい予想がつくから、ミサに対してはこれまで通りの方が一番いいのかもしれない。
「あの方は?」
「俺が所属している近衛騎士団の団長です」
通りで、とカイルの言葉に納得した。短い黒髪に、切れ長の紫色の瞳。そしてガタイのいい男性。カイルとの距離感も相まって、同じ騎士だと容易に想像がついた。
でも、団長ということは……。
「カイルに用事があったのよね。それなのに、ここにいていいの? わざわざここまで来るのだから、余程のことだったのではなくて?」
「えっと、まぁそうなんですが……俺は俺で、持ち場を離れるわけにはいかないので」
「でも……カイルの手を借りたいから、来たのではないの?」
とはいえ、今いなくなられるのは困ってしまう。カードの回収もそうだけど、他にも情報を得るには、カイルの協力は不可欠なのだ。
ミサはリュシアナがこっそり抜け出していたことを知らないから、そういうことは頼めない。そもそもなんで内緒にしていたのか……はだいたい予想がつくから、ミサに対してはこれまで通りの方が一番いいのかもしれない。



