「何か羽織るものが必要ですね。お茶は……すでに冷えているでしょうから、入れ直さないと」
しかし俺は剣を振り回してばかりいたから、リュシアナ様にお出しできるようなお茶を入れられない。
「大丈夫よ。お茶は私が入れるし、カイルが心配するほど、寒く感じないしね」
「しかし……――」
思わず言葉を続けそうになり、口を噤んだ。護衛騎士としての領域を超えている気がしたからだ。そう、これはミサ殿が指摘すること。
けれど現状は、俺の決意や躊躇いをあざ笑うかのようにやってきた。扉をノックする音が聞こえてきたのだ。
「はい」
なんの躊躇いもなく返事をするリュシアナ様。昨日、ご自分の命が狙われていることを自覚したのではなかったのか? 思わずそんな疑問が脳裏を過った。
さらにリュシアナ様は扉に体を向け、すぐに開けてしまいそうな勢いを感じ……俺は自然と手に力を入れてしまった。
しかし俺は剣を振り回してばかりいたから、リュシアナ様にお出しできるようなお茶を入れられない。
「大丈夫よ。お茶は私が入れるし、カイルが心配するほど、寒く感じないしね」
「しかし……――」
思わず言葉を続けそうになり、口を噤んだ。護衛騎士としての領域を超えている気がしたからだ。そう、これはミサ殿が指摘すること。
けれど現状は、俺の決意や躊躇いをあざ笑うかのようにやってきた。扉をノックする音が聞こえてきたのだ。
「はい」
なんの躊躇いもなく返事をするリュシアナ様。昨日、ご自分の命が狙われていることを自覚したのではなかったのか? 思わずそんな疑問が脳裏を過った。
さらにリュシアナ様は扉に体を向け、すぐに開けてしまいそうな勢いを感じ……俺は自然と手に力を入れてしまった。



