転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

 中庭の入り口で倒れる寸前に見た、蔦が絡まったアーチの中にある女性像。あの衝撃はなんだったのか。その正体を知るキッカケが、カードにあると思ったのだ。

 理由は分からない。だけど確認したい衝動に駆られ……その後、ミサを説得しまくった。

 毎日毎日。飽きることなく、ミサが折れるまでそれが続いたある日。

「分かりました。でも騒いだり、駆け出したり絶対にしないでください。あと、私から離れないこと。それが守れないようでしたら、陛下に報告させていただきます。いいですね」

 ようやくミサの許可を得ることができた。それは、私が二度倒れてから、一週間後のことだった。城下に向かったのは、さらに一週間後。

 王宮の内部も把握できていない私は、城下がどんなところかなど、分かるはずもなく。ミサから一週間かけて、振る舞いと危険性を叩きこまれた。
 それは再び、私が病を持ち帰ることを心配していたからだ。城下で遭ったことは、現場にいるミサとカイルだけで、秘密裏に対処できる。しかし病は……そうはいかない。だからこそ、護衛騎士をつけられた、とミサから念入りに注意を受けた。

「本来なら、色々なところを見せて差し上げたいのですが……」
「分かっているわ。だから諸々落ち着いたら、王宮を案内して。その時は堂々とできるでしょう?」
「……できれば、それを終えた後に、城下にお連れしたかったです」
「ごめんね」

 待ちきれなくて。今も、早く確認したくてたまらないの。