転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「あの日も、気がついたら……見つけた時には、すでに倒れていました」
「倒れていた? カリエンテ病は即効性のある病なの?」
「そんなことはありません。潜伏期間があり、感染してからだいたい一週間後に発熱すると聞きました」

 余計に分からない。この体がそれほど弱くないことは、私が一番よく知っている。二度、倒れたけど……。

「城下で他に変わったことはなかったの? たとえば、何かを見て触れたとか」
「そういうものは、以前から多くありました。元々、市井(しせい)を知るために、密かに抜け出していたものですから」
「……珍しいカードを見た、とかは?」
「カード……ですか?」

 なぜそんなことを思ったのかは分からないが、脳に長方形のカードが浮かんだのだ。
 だからミサに、疑いの目を向けられてもいい。そう思っていたのに、何かに気づいたのか、目を見開いた。

「ありました。倒れている姫様の周りに……カードが。でも、なんのカードかは分かりません。姫様の容体を確認するのが先決でしたから」
「何が描かれているのかも?」
「……申し訳ありません」
「あ、謝らないで! ミサの取った行動の方が正しいのだから」

 主人よりも周りにあるカード……金目のものを優先した方が大問題である。だけど私はそのカードの方に興味があった。