やってしまった……。
ただでさえ、カリエンテ病という奇病で臥せ、挙句の果てに記憶喪失までなったのに、今度は二度の気絶。カイルへの配慮からか、ミサはお父様に報告しなかった。
「護衛騎士をコロコロ変えるのは、リュシアナ様にとってもよくないですから」
ミサの言う通り、記憶喪失であることを不安に感じないのは、偏に二人がいてくれるお陰だ。そのどちらが欠けることの方が、むしろ不安になる。
だからミサの判断に、私は心から安堵した。思わず手を取り、「ありがとう」と感謝の言葉を伝えたのだが、なぜかミサの表情は晴れなかった。
「実は姫様がカリエンテ病に罹ったのは、私が原因なのです。だからヴァレンティア卿を責めるなど、できるはずがありません」
思わぬ告白に、私は固まってしまった。これまで感じていたミサの印象は、忠誠心の厚い侍女。もしくは頼れるお姉さんだった。心配性なところはあるけれど、それは私を思ってのこと。
けして自分の私利私欲のために、私の行動に制限をかけているわけではなかった。
そんなミサが、なぜ?
ただでさえ、カリエンテ病という奇病で臥せ、挙句の果てに記憶喪失までなったのに、今度は二度の気絶。カイルへの配慮からか、ミサはお父様に報告しなかった。
「護衛騎士をコロコロ変えるのは、リュシアナ様にとってもよくないですから」
ミサの言う通り、記憶喪失であることを不安に感じないのは、偏に二人がいてくれるお陰だ。そのどちらが欠けることの方が、むしろ不安になる。
だからミサの判断に、私は心から安堵した。思わず手を取り、「ありがとう」と感謝の言葉を伝えたのだが、なぜかミサの表情は晴れなかった。
「実は姫様がカリエンテ病に罹ったのは、私が原因なのです。だからヴァレンティア卿を責めるなど、できるはずがありません」
思わぬ告白に、私は固まってしまった。これまで感じていたミサの印象は、忠誠心の厚い侍女。もしくは頼れるお姉さんだった。心配性なところはあるけれど、それは私を思ってのこと。
けして自分の私利私欲のために、私の行動に制限をかけているわけではなかった。
そんなミサが、なぜ?



