その花壇の間には、木製のベンチがひとつずつ控えめに置かれていた。白く塗られた背もたれには陽が当たり、思わず腰を下ろして日向ぼっこをしたくなった。
吸い寄せられるように、一歩ずつ前へと進む。すると、なんの抵抗もなくベンチに辿り着いた。
「お座りになられますか?」
さきほどとは違い、優しそうな眼差しで促す。
「ここで、あなたと会っていた?」
「っ!」
「やっぱり。でも、覚えているわけではないの。ただ護衛騎士になったのは、私が寝込んだ後なのに、ミサと同じように親身に接してくれるでしょう? さすがの私も、護衛騎士の範疇を超えていることくらい分かるわ」
加えて私をここに連れて来た理由を聞けば、容易に想像がついた。
「申し訳ありません。試すような真似を……」
「気にしていないわ。私がカイルの立場なら、同じことをしていたもの。だから教えて? あなたとリュシアナの接点を」
そこまで拘る理由も……。
カイルは私の手を離し、ベンチに腰を下ろした。視線を隣へと向けて、促す仕草までする。
これじゃ、どっちが催促したのか、分からないわね。
私はミサが選んでくれたベビーピンクのドレスを翻し、カイルの隣に座った。
吸い寄せられるように、一歩ずつ前へと進む。すると、なんの抵抗もなくベンチに辿り着いた。
「お座りになられますか?」
さきほどとは違い、優しそうな眼差しで促す。
「ここで、あなたと会っていた?」
「っ!」
「やっぱり。でも、覚えているわけではないの。ただ護衛騎士になったのは、私が寝込んだ後なのに、ミサと同じように親身に接してくれるでしょう? さすがの私も、護衛騎士の範疇を超えていることくらい分かるわ」
加えて私をここに連れて来た理由を聞けば、容易に想像がついた。
「申し訳ありません。試すような真似を……」
「気にしていないわ。私がカイルの立場なら、同じことをしていたもの。だから教えて? あなたとリュシアナの接点を」
そこまで拘る理由も……。
カイルは私の手を離し、ベンチに腰を下ろした。視線を隣へと向けて、促す仕草までする。
これじゃ、どっちが催促したのか、分からないわね。
私はミサが選んでくれたベビーピンクのドレスを翻し、カイルの隣に座った。



