転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「返事を渋っている理由は……まさかとは思うけれど、私? だいたい想像はつくけれど、ミサの幸せを最優先に考えて」
「嫌です。私はずっと姫様のお傍にいたいのです。だから、姫様が結婚してからではないと、私も将来を見据えられません」
「……ミサ。そこまで付いて来る気でいたの? 私としては有り難いけれど」

 この先、どうなるかなんて、私にも分からない。今はお姉様の件で、まだ揉めに揉めているし。ノルヴィア帝国との和解も、未解決のままだ。すぐに結婚できる状況ではない。

「いつになるのか分からないのに、近衛騎士団長を待たせるのは、さすがに気が引けるわ」
「だから保留にしてもらっているんです。それなのに、姫様に相談したいことがあるから、伺いに行きたい、と。私も悪いと思っているから、通したのに……」
「これはミサの方が悪いわ。近衛騎士団長だって、早く身を固めたい、と思っているから焦っているのよ」

 私の占い部屋では、主にミサが誘導役を買って出ている。男性の相談者も増えた今、気が気ではないのだ。いつぞや、カイルも男性の相談者が増えることについて、難色を示していたから。

「ミサの気持ちを正直に伝えて、二人で解決策を探しなさい。私もなるべくミサが一緒に来てくれるように考えてみるから」

 その時がくれば、ね。