「確かに、誰にも相談せず、あの場でお姉様の処遇を決めてしまったわけですから、皆さまが驚かれるのも無理はありませんわ」
「そっちもあるが、この者たちが詳細を求めているのは、母上の件らしい」
「えっ、では、この手紙を早々にお父様へお返ししなければ」
「リュシアナ。その必要はない。俺も含めて詳細を知らされていなかったのだ。直接、貴族からの非難を浴びてもらわなければ、俺の気も収まらない」
そうよね。お兄様は私と違って、お母様との思い出がある。だからこそ、お姉様に対してきつい態度を取っていたのだから。
「もし知っていたら、お兄様ならどうしていましたか?」
「……クラリーチェも幼かったとはいえ、犯罪は犯罪だ。それも王妃の殺害。処刑が妥当だろうな」
「ではお兄様は……いえ、お兄様も私がお父様に進言した処置は甘かったとお思いですか?」
私にはこの行列がそう言っているように見えてならなかった。
「俺はお前がそれでいいと思うのなら、構わないさ」
「なぜ、ですか?」
「母上はお優しかった。リュシアナが許すというのなら、母上も同じ判断を下したと思うからな」
「お兄様……」
そうか。だから謁見の間では静かだったのだ。あの場にお兄様も居合わせていたのに、一言も発しないことに疑問を抱いていた。私自身、構っていられなかった、というのもあるけれど。
「そっちもあるが、この者たちが詳細を求めているのは、母上の件らしい」
「えっ、では、この手紙を早々にお父様へお返ししなければ」
「リュシアナ。その必要はない。俺も含めて詳細を知らされていなかったのだ。直接、貴族からの非難を浴びてもらわなければ、俺の気も収まらない」
そうよね。お兄様は私と違って、お母様との思い出がある。だからこそ、お姉様に対してきつい態度を取っていたのだから。
「もし知っていたら、お兄様ならどうしていましたか?」
「……クラリーチェも幼かったとはいえ、犯罪は犯罪だ。それも王妃の殺害。処刑が妥当だろうな」
「ではお兄様は……いえ、お兄様も私がお父様に進言した処置は甘かったとお思いですか?」
私にはこの行列がそう言っているように見えてならなかった。
「俺はお前がそれでいいと思うのなら、構わないさ」
「なぜ、ですか?」
「母上はお優しかった。リュシアナが許すというのなら、母上も同じ判断を下したと思うからな」
「お兄様……」
そうか。だから謁見の間では静かだったのだ。あの場にお兄様も居合わせていたのに、一言も発しないことに疑問を抱いていた。私自身、構っていられなかった、というのもあるけれど。



