「私の占いは、人を不幸にするためのもではありません。幸せになるための背中を押しているのです。勝手に悪用したお姉様に非難される覚えはありません!」
「悪用? 私にとってお前が不幸になることが幸せなのよ。お前がいるから、私もお母様も不幸になる」
そんなはずはない、と言いたかったけれど、お姉様の瞳はもう私を映してはいなかった。泣き崩れるお姉様。
「私には、幸せになる未来を見てはいけないの?」
一歩、お姉様に近づこうとした瞬間、カイルに腕を掴まれた。その隙をついたかのように、私の横をエリーゼ様が通り過ぎる。
「どうか、お願いです。この子の罪は私がすべて受けます。だからこの子の命だけは取らないでください」
「エリーゼ様……」
お母様の殺害の犯人が判明した時、エリーゼ様がお姉様を庇ったのだと聞いた。その時も、このように懇願したのだろう。私はエリーゼ様ではなく、お父様の方に向かって言い放った。
「提案があります」
「……聞こう」
「ありがとうございます。お姉様はすでに、戦争の発起人として民に周知されています。そのため、エリーゼ様の望み通りにすることは難しいと思われます」
「っ!」
エリーゼ様の息を呑む声が聞こえたような気がしたが、私はそのまま言葉を続けた。
「悪用? 私にとってお前が不幸になることが幸せなのよ。お前がいるから、私もお母様も不幸になる」
そんなはずはない、と言いたかったけれど、お姉様の瞳はもう私を映してはいなかった。泣き崩れるお姉様。
「私には、幸せになる未来を見てはいけないの?」
一歩、お姉様に近づこうとした瞬間、カイルに腕を掴まれた。その隙をついたかのように、私の横をエリーゼ様が通り過ぎる。
「どうか、お願いです。この子の罪は私がすべて受けます。だからこの子の命だけは取らないでください」
「エリーゼ様……」
お母様の殺害の犯人が判明した時、エリーゼ様がお姉様を庇ったのだと聞いた。その時も、このように懇願したのだろう。私はエリーゼ様ではなく、お父様の方に向かって言い放った。
「提案があります」
「……聞こう」
「ありがとうございます。お姉様はすでに、戦争の発起人として民に周知されています。そのため、エリーゼ様の望み通りにすることは難しいと思われます」
「っ!」
エリーゼ様の息を呑む声が聞こえたような気がしたが、私はそのまま言葉を続けた。



