転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「皆さま、落ち着いてください。お姉様がお母様を殺害したのは事実です。こちらにそれを告白した手紙があります。これには、お母様の殺害だけではなく、お父様への復讐のために、アルフェリオン王国に戦争を仕掛けたことも記されているのです」
「では、やはりあの噂は本当だったということですか? 自白されている手紙が存在すると」
「えぇ。私はお父様からこちらを読ませてもらい、今回噂を広めてもらいました」
「広めたこともまた、事実だったとは……」
「皆さまに混乱を与えてしまったことは、申し訳ないと思っています。けれどお父様への復讐のためだけに、国民が巻き込まれる姿など見たくなかったのです」

 手紙を持っていない方の手で、胸を押さえた。すると、私の態度と発言が気に食わなかったのだろう。お姉様が鋭い目で私を見てきた。
 
「いい子ぶって。いつもそうやって、影から私の邪魔をする。表立ってお母様と私を蔑ろにしているお父様とお兄様よりも、お前が一番陰険なのよ」
「影から、というのなら、お姉様も同じです。ノルヴィア帝国を使って、復讐をしようとするなんて」
「お前の占いを信じたからよ。皇太子を支えて差し上げただけのことなのに、どうして非難されるのかしら?」
「っ!」

 やっぱりあの占いの結果が引き金だったんだ。思わず怯みそうになったが、後ろからカイルがそっと肩に手を乗せてくれた。弱気になってはいけない。