転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「だがリュシアナよ。言いたいことはそれだけか? お前を狙った者について。いや、その者たちがどうなったのか、もしくはその首謀者が誰なのか、詳細を知りたいとは思わないのか?」
「いいえ。王宮へ帰還する折に、だいたいのことは聞きました。私を狙ったのは、トリヴェル侯爵家の手の者だということ。その裏には……お姉様がいらっしゃる、ということも」
「うむ。ではその者らが、この王宮で拘束されているのも、当然、知っておろうな?」
「はい」

 私が返事をすると、まるで打ち合わせをしていたかのように、謁見の間の隅から痩せ細った御老体が姿を現した。その後ろにはガタイのいい騎士が、張り付いている。手を後ろで縛るなどしないのは、おそらくこの場にご側室様、エリーゼ様がいらっしゃるからだろう。
 謁見の間に入った時、入り口付近にいるのを見たのだ。エリーゼ様もまた、現れたトリヴェル侯爵のように痩せ細っていた。二人とも、お姉様と同じ赤褐色の髪と茶色い瞳をしていたから、すぐに分かった。

「お前なら、この者らの処分をどうする?」
「私が決めてよろしいのですか?」
「被害者はお前だ、リュシアナ」

 この者ら、ということは、トリヴェル侯爵とエリーゼ様の双方のことだろうか。それとも……。