***
「姫様ー!」
しかし王宮で待っていたのは、ミサだった。私がカイルの手を借りて降りると、抱きつくような勢いでやって来たのである。
一応、馬車の近くには近衛騎士団長もいるというのに、真っ先に向かう先が私でいいのかしら。
思わず横に視線を向けると、苦笑いされてしまった。
「ただいま、ミサ」
私はその潤んだ黄緑色の瞳に向かって返事をした。それだけのことなのに、今にも泣き出しそうな顔をするミサ。私のために、トリヴェル侯爵の動向を探ってくれたりと色々してくれていただけに、胸が熱くなった。
「ご無事で何よりです。一応、連絡は来ていたものの、やはりこの目で見ないことには安心できなくて……」
「ありがとう。これもすべてミサのお陰よ。私が今、ここにいられるのは」
「……本当は、私が駆けつけたかったんですよ」
「ミサ……それはさすがに」
近衛騎士団長に申し訳ないわ。いや、本当にそんなことをしたのだろう。視界の端に映る近衛騎士団長が、一歩前に出ようとしていた。
「姫様ー!」
しかし王宮で待っていたのは、ミサだった。私がカイルの手を借りて降りると、抱きつくような勢いでやって来たのである。
一応、馬車の近くには近衛騎士団長もいるというのに、真っ先に向かう先が私でいいのかしら。
思わず横に視線を向けると、苦笑いされてしまった。
「ただいま、ミサ」
私はその潤んだ黄緑色の瞳に向かって返事をした。それだけのことなのに、今にも泣き出しそうな顔をするミサ。私のために、トリヴェル侯爵の動向を探ってくれたりと色々してくれていただけに、胸が熱くなった。
「ご無事で何よりです。一応、連絡は来ていたものの、やはりこの目で見ないことには安心できなくて……」
「ありがとう。これもすべてミサのお陰よ。私が今、ここにいられるのは」
「……本当は、私が駆けつけたかったんですよ」
「ミサ……それはさすがに」
近衛騎士団長に申し訳ないわ。いや、本当にそんなことをしたのだろう。視界の端に映る近衛騎士団長が、一歩前に出ようとしていた。



