転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「……最終結果は? 『THE() HERMIT(ハーミット)』(隠者)の逆位置。現実逃避、かぁ」

 思わずテーブルに向かってうつ伏せになりたかった。だってこの結果は、アドバイスどころか、私の内面を掘り起こしただけなのだ。
 ケルト十字で占ったのが間違えだったのかな。ううん、最終結果に隠者の逆位置が出たんだもの。逆位置は、正位置の状態に到達していない、とも読み取れる。

「つまり、私自身を見つめ直せ、ということだ。もしくはお姉様とも。そうだ。こういう時こそ、ボトムカードを見てみよう。何かヒントがあるかも」

 私はカードの山を裏返した。

「ペンタクルの六の逆位置? また、逆。でもこのカードは関係性を示している。正位置は良好だけど、逆は支配の関係……王族の立場をカードが言っているのかも。だとしたら、責務を果たさない、とね。折角、皇帝が出ているのだから」

 自分の占いを信じなくちゃ。タリアが私の占いを信じて噂を流してくれた。私の占いで決断したカイルが、今ここにいる。
 離宮の外で待ってくれている近衛騎士団長だって、ミサが信じてくれたからできた縁なのだ。