転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「過去はどうかしら……っ! ソードの三!」

 ハートに三本の剣が突き刺さっているカードが出てきた。まさにこのハートは私なのか、それともお姉様なのか。

「どっちにしても、傷ついてきたとストレートに出るなんてね」

 思わず苦笑してしまった。私は気分を直すように、左端のカード、未来を指示したカートを捲った。

「ワンドのエース。ワンドが多いわね。しかも今捲っているところは、私の内面を示している。行動しようとする意志がある、ということかしら。でも未来は終わり、過去を清算する、と出ているわ。これじゃ、ますます行くのが怖い」

 それなのに私の置かれている立場には、なぜか『THE() EMPEROR(エンペラー)』(皇帝)が出ている。民たちが私を待っている。まるでカードが代弁しているかのように感じた。

「だったら、周囲の状況は? ソードのクイーンの逆位置? 過剰防衛、ヒステリックになっている……これはお姉様への感情かしら」

 それに対し、私の願望は……ペンタクルのキングの逆位置。人を導く覚悟ができていない。