転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「前は忙しくて挨拶ができなかったのかと思っていたけれど、今回はどういう風の吹き回しなのかしら」
「その節は、大変申し訳ございませんでした」
「いいのよ。でも、ミサの件については、私に挨拶をしに来ても良かったのではないかしら」

 ミサから直接、私の占いのアドバイスで、近衛騎士団長にアピールしたとは聞かなくても、王宮では噂になっていたから知っているはずである。私の占いがキッカケで、ミサと近衛騎士団長はお付き合いを始めたのだということを。

「それは……お伺いに行くとミサが……」
「嫌がるの?」
「違います! ミサと共にいる姿を、そこにいるカイルに見られたくなかったからです」

 つまり、デレている姿を部下に見せたくない、ということか。なるほどなるほど。

「分かったわ。そういうことなら許しましょう」

 私だってそんな緩んだ姿を見たくもないし、見られたくもない。