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しかし、そんな甘い時間はあまり長くは続かなかった。いや、続いてしまうと、国内の情勢が大変なことになるため、いいといえばいいのだけれど……ほんの少しだけ残念な気がした。
離宮にいる間は、王女という身分を隠しているため、一介の貴族令嬢の扱いを受けていたからだ。
建物の外は危険なため、離宮内を散策。世話をしてくれるメイドたちを中心に、相談を受けて占ったりしていた。やはり王宮での私の噂を聞いていたのだろう。言葉の端々に占ってほしい雰囲気があり、根負けしたのだ。
そんな日々を送っている中、珍しく私に来客があった。噂を流してほしいと頼んでいたタリアが、その成果を持って来たのだろうか。それともミサが、こっそりやって来てくれたら嬉しいな。そんな期待をしていたが……。
「まさか、あなたが来るとは思わなかったわ」
以前、私の部屋を訪ねて来てくれたものの、そそくさと去って行ってしまった近衛騎士団長である。
しかし、そんな甘い時間はあまり長くは続かなかった。いや、続いてしまうと、国内の情勢が大変なことになるため、いいといえばいいのだけれど……ほんの少しだけ残念な気がした。
離宮にいる間は、王女という身分を隠しているため、一介の貴族令嬢の扱いを受けていたからだ。
建物の外は危険なため、離宮内を散策。世話をしてくれるメイドたちを中心に、相談を受けて占ったりしていた。やはり王宮での私の噂を聞いていたのだろう。言葉の端々に占ってほしい雰囲気があり、根負けしたのだ。
そんな日々を送っている中、珍しく私に来客があった。噂を流してほしいと頼んでいたタリアが、その成果を持って来たのだろうか。それともミサが、こっそりやって来てくれたら嬉しいな。そんな期待をしていたが……。
「まさか、あなたが来るとは思わなかったわ」
以前、私の部屋を訪ねて来てくれたものの、そそくさと去って行ってしまった近衛騎士団長である。



