私は早速、ネイビーの布を広げて、入念にシャッフルした。そしていつものように、七枚目から台の上に三枚、裏のまま置いていった。

「この可否を問う占いは、正位置なら可。逆位置なら否だと教えてくれるの。それじゃ、捲るわね」

 一枚目、『JUDGEMENT(ジャッジメント)(審判)』
 二枚目、ソードの四
 三枚目、カップの十の逆位置

「総合すると、カードは利益になる、と出たわ。ただカードが示しているのは、噂を流すことによって戦争を回避させれば、商団に利益をもたらす、といっているみたい」
「戦争の回避? 噂を流すことがですか?」
「元々、そのつもりで噂を流してもらおうとしていたから、この結果は私としても嬉しい限りだわ。審判によって、首謀者であるお姉様を表舞台に引っ張り上げたいと思っていたのよ」

 まさに審判はそれに相応しいカードだった。

「そしてソードの四は、休息または回復を意味するの。戦争を回避することで、国も民も安らぎを得られる。逆位置として出たカップの十もまた、同じね。戦争に不満を募らせている者たちが多いことを教えてくれているような気がするの。だからこそ、噂を流してくれない? これ以上、私たち王族の問題で、民を傷つけたくないの」

 一瞬、グレティスの姿が脳裏に浮かんだ。