転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「迷っているのなら、カードに聞いてみない?」
「え? 占ってくださるのですか?」
「噂を流すことが、商団の利益となるのか。タロットカードはただ占うだけでなく、その選択が正しいのかを問う、シンプルなやり方があるの。折角だから、やってみない?」
「お、お願いします」

 タリアが返事をしたのと同時に、カイルは私の手の上に、ネイビーの布に包まれたタロットカードを置いた。

 可否を問う占いには、タロットカードを十分シャッフルする必要があった。しかし今、私がいるのはベッドの上。このままでは占えない。だからベッドから降りようと思ったのだが……。

「こちらをお使いください」

 カイルがラップデスクのような脚の低い小さな台を、私の膝の上に置いた。これは先ほど、食事をした時に使っていたのと同じもの。なるほど、これならベッドの上でもできそうね……って、ベッドの外に出させない気?

「どうかなさいましたか?」
「ううん。ありがとう」

 ダメよ。今はタリアの説得が重要なのだから。