転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「その手紙を一読した上で、お姉様がこの戦争の首謀者だと国中に広めてほしいの。できればノルヴィア帝国側にも伝手があれば、尚いいのだけれど。引き受けてもらえないかしら」
「私の一存では……商団は彼の家門が経営していますから、まずは相談してみないことには答えられません」

 前に占いでタリア自身も見た時、気持ちはそこへ向いているのに、一歩踏み出す勇気がない、という印象を受けた。今回もそうなのだろうか。ならば、もう一度占いで後押しをしてみよう。

「タリア一人に、この重みを背負わせようとは思っていないわ。婚約者に是非、相談してみて。戦争によって、普段使っている道が封鎖されたり、通行料が値上がりされたりと商いをしている人たちにとっては、マイナスの部分もあると思うから」
「もしくは、戦争の道具や準備などで儲ける者もいると思われます」
「そうね。カイルの言う通り、逆に戦争を利用する者もいるでしょう。でも、皆が皆、同じものを仕入れるわけではないわ。そうでしょう?」

 私はタリアが婚約者を説得する名目を、先に掲示した。それをさらに確実にするため、カイルに向かって手を伸ばす。