転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「馬車で、俺が来た経過を報告した時に、一緒に言った気がしたのですが……」
「聞いていないわ。それに離宮と聞いていたから、もっと寂れたところだと思っていたし」
「いくら陛下でも、リュシアナ様をそのような場所に行かせたりしませんよ」
「……それじゃ皆、知っていたの? あんな芝居まで打って、私を王宮から避難させたことを」
「まさか。知っていたら、陛下のところへ直談判しに行きませんよ」

 確か、私もの元に行く名目を作れ、だったかしら。護衛を解かれてすぐに抗議しに行った、と聞いた。

 お父様の想いとカイルの行動に、胸が熱くなった。私はそんなことも知らずに悲しんでいたなんて……もっと強くならないと。その奥にある想いを読み取れるほどに。
 占いだって、カードを通して相手の深層心理を読むのだ。できないとは思えなかった。

「そこで、こちらを手渡されました」
「手紙?」
「はい。ノルヴィア帝国からの宣戦布告の書簡と共に、クラリーチェ殿下から陛下宛に届けられたものです」
「そんな重要なものを、どうして私が……」
「リュシアナ様なら、その手紙を活用してくれるかもしれない、とおっしゃいまして」

 物凄いプレッシャーを感じながらも、私は手紙を受け取った。内容はお姉様が長年抱いていた想い、恨み。そしてお母様を殺害したという告白で締めくくられていた。